日本企業FOMMは今年、アマタナコーン工業団地にコンパクト電気自動車(EV)の組立工場を建設する工事に着手する予定です。新工場は来年6月までの生産開始を目指しています。同社の鶴巻日出夫社長によると、同工場は約600万USドル(2億600万バーツ)が出資され、年間5,000台のコンパクトEVが生産されるということです。

2013年に神奈川県川崎市に設立されたFOMMは、4人乗りEVの開発・製造のほか、コンパクトEVの設計・開発、超小型EV技術に関する顧問サービスの提供、EVコンポーネントの設計・開発、エンジニアリング顧問サービスの提供も行っています。
FOMMは2014年に600万USドルの予算を投じて第一プロトタイプと第二プロトタイプの開発に成功しました。
FOMMは昨年2月、タイに合弁企業FOMMアジアを設立しました。登録資本3億6,000万バーツ(株式の49.9%をFOMMとTrinexが、0.2%をKUSUMOTO CHAVALIT & PARTNERS LTD.がそれぞれ保有)のFOMMアジアは、EVの研究開発、製造、マーケティング・販売を担当し、EV生産施設を運営しています。
鶴巻社長によると、FOMMは、タイ投資委員会(BoI)から与えられる投資優遇措置の詳細を現在検討中であるといいます。
BoIは今年3月、EVへの優遇措置(5〜8年間の課税免除を含む)を承認しました。対象となる事業は、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグイン電気自動車(PHEV)、電池式電気自動車(BEV)の生産です。また重要EV部品10品目(電池、トラクションモーター、電池管理サービス、EVスマート充電システム、DC-DCコンバーター、インバーター、EVポータブル充電器、電路遮断器)に対する法人所得税が8年間免除されます。
「こうした優遇措置はFOMMにとって望ましいものになると思われますので、私どもはEVの現地生産を計画しております」と語る鶴巻社長は、FOMMにとって専ら関心があるのは、すでにプロトタイプのコンパクトEVが出来ている電池式電気自動車(BEV)であると述べています。
生産コストの上昇により、FOMMのコンパクトEVは、当初の見積もりよりもコストがかさむ(それぞれ30万〜40万バーツ高くなる)ものと推定されています。
また目標とされる現地販売台数は、2018年が4,000台、2019年が1万6,000台、2020年が3万台、2021年が4万台と設定されています。さらに2018年にはASEANとヨーロッパへの輸出も計画されています。