パキスタンの自動車ベンダー、タイとのFTAを懸念


パキスタンの自動車ベンダー各社は、現在進行中のパキスタン‐タイ自由貿易協定(FTA)交渉に不快感を示しています。
 パキスタン商務省は、産業省工業開発局(EDB)にたいし、パキスタンの潜在的市場規模について検討したタイが自動車市場へのアクセスを要求していることを伝えました。
 タイは、パキスタンに対して提示する譲許表に、自動車と自動車部品を加えています。その他のFTAでは、譲許表のなかに自動車は含まれていません。
 EDBは、パキスタン‐タイFTAについて協議するための会合の開催(2016年11月10日、於イスラマバード)を自動車分野の利害関係者に呼びかけました。
 EDBは、利害関係者に宛てた書簡のなかで、パキスタン政府は、新規投資家や既存のOEMとベンダーへの優遇措置を定めた自動車政策2016〜2021(2016年7月1日発効)を導入していると述べています。そして、いかなるFTAであれ、自動車部門を優遇する最恵国待遇(MFN)税率を変更することは、自動車政策の精神に背くことになるというEDBの信念を伝えています。
 パキスタン商務省は、パキスタン‐タイFTA交渉の第5回会合は2016年11月16日から18日までタイで開催されるとEDBに伝えています。第5回会合では、パキスタン、タイ双方が相手国に提示するオファーリストと関税引き下げモダリティ(TRM)について協議、確定することになっています。
 大手自動車組立業者3社は、すでにタイから相当量の部品や付属品を輸入しています。この事実は明記しておくべきでしょう。
 パキスタン自動車部品工業会(PAAPAM)の元会長アミール・アラワラ氏は、パキスタン政府にたいし、現在進行中のFTA交渉から自動車分野を除外すべきだと主張しています。
 アラワラ氏は、FTAの譲許税率が適用されると、新自動車政策において政府が公表している現行の関税率はそれに取って代わられるうえ、FTAによって関税率が引き下げられれば、国産部品の使用が手控えられ、将来のローカライゼーションに向けた投資計画が見送られ、さらには連邦政府の歳入に損失がもたらされるなど、数々の問題点を挙げています。
 アラワラ氏はまた、FTAによる自動車部品の輸入を許せば、自動車組立や部品製造への既存・新規プレーヤーの投資誘致を目指す政府の取り組みにも悪影響が生じると述べています。加えて、自動車部門は300万人以上の労働者、技術者、エンジニア、経営専門家に直接間接の仕事を提供しているとも述べています。

 一方、パキスタンオートバイ組立業者協会(APMA)のムハンマド・サビル・シェイク会長は、パキスタン‐タイFTAによって主に恩恵を受けるのは、パキスタンにある日本の組立業者であると述べています。
 シェイク会長によると、日本の組立業者は、パキスタン市場向けに30年前の型の自動車やバイクを製造しているといいます。しかも日本の組立業者は、タイ市場向けに、トヨタやホンダ、スズキの自動車や、ホンダ、ヤマハ、スズキの最新型バイクも製造しています。
 シェイク会長は、パキスタン市場は新型のバイクや自動車も必要としており、それはFTAその他の協定を通じて実現可能であるとも述べています。

エクリプスマグネティクス社の濾過製品、鋼鉄汚染を低減

イギリスの高強度磁気装置メーカーは、ピックアップトラック用フレームの製造工程における鋼鉄汚染をいかに低減したか?

 電気泳動析出は、ピックアップトラック用フレーム製品を製造する際の重要な工程です。ところが、あるタイの自動車会社では、この工程で生じる鋼鉄汚染が目詰まりやブロッキングの原因となっていました。しかし、イギリスの高強度磁気装置メーカーが製造・設計するフィルターの使用によって、鋼鉄汚染は低減し、その結果、機械寿命を延長させることができました。
 電気泳動析出の工程は、前処理槽から電気泳動析出槽に至るいくつかの浸漬(しんし)槽からなります。組立ラインで製造されるピックアップトラック用フレームは、別のエリアに送られ、丹念に洗浄された後、仕上げのために電気泳動析出による最終的な塗膜処理が施されます。
 ピックアップトラック用フレームが入れられる最初の2つの浸漬槽は前処理槽です(それぞれ容積66立方メートルで、いずれも地面に設置)。それらの浸漬槽は、脱脂液(約9pHの純水に近い強アルカリ溶液)で充たされています。いずれの槽にも、ピックアップトラック用フレームから洗い落とされた汚染物を除去するためのバリアフィルターと遠心フィルターが取り付けられています。

 ところが、サムットプラカーンにあるタイ国いすゞ自動車が使用する濾過フィルターと遠心フィルターは効果がなく、すぐに汚染物が溜まってしまい、目詰まりやブロッキングを起こしていました。結果的に、それらのフィルターでは、前処理液から微細な鋼鉄汚染物を充分に除去することができず、電気泳動析出槽に汚染粒子が入り込んでしまいました。
 その結果、前処理槽を定期的に空にして清掃しなければならなくなり、機械のダウンタイムや製造工程の遅れが生じました。タイ国いすゞ自動車は、電気泳動析出浸漬槽の汚染を低減するための2つの高強度磁気フィルター(AutoMag SkidとFiltra Mag)をエクリプスマグネティクス社から納入しています。
 同社が納品しているのは、ポンプ、サンプ(集油)タンク、二次リターンポンプを備えたAutoMag Skid AM12S1-8です。AutoMag Skidは自動タイプであるため、生産時のダウンタイムがなくなり、生産工程が非常に効率的になります。
 AutoMag Skidは、磁性・常磁性汚染物(冷却剤や潤滑剤からサブミクロンサイズまで)を効果的に除去します。汚染流体は吸込口を通って第一濾過室に入ります。流水はそこで汚染粒子を除去する高強度の「レアアース」磁気コアの周囲をめぐります。流体は減速した後、第二濾過室に入り、そこでさらに濾過されます。汚染物は磁気コアのステンレス鋼スリーブに付着し続けますが、濾過された流体は排出口を通って出ていきます。

 パージング工程は完全に自動化されており、磁気コアがスリーブから持ち上げられ、パージバルブが切り替えられます。流体はフィルターを通してポンプで送られ、ステンレス鋼スリーブから汚染物を洗い流し、その汚染物をバッファー槽に運びます。次いで流体は減速し、冷却ローラーに送られます。パージングされた流体はかなり汚染されていますが、ローラーの流速と高強度の磁気によって、汚染除去はきわめて効率的に実行されます。次いで清浄な流体を再循環させ、ローラーから汚染物をこすり落とし、処分または再利用のために回収します。

 さらに、汚染物のほぼ100%を除去するため、遠心フィルターの前にFiltraMag 2.5が1台設置されました。FiltraMag 2.5の検査・清掃は、簡単にでき、時間もかかりません。FiltraMag 2.5は、機械の運転中に取り外して清掃することもできます。1万1,000ガウスの磁気コアパックは、フィルターを1回通過するだけで汚染物を確実に除去します。高強度の磁気コアは、サブミクロンサイズまで粒子を濾過し、流体は十分に濾過され、障害物を除去します。
 フィルターを導入して以来、タイ国いすゞ自動車の電気泳動析出槽では鋼鉄汚染物が見られなくなりました。また流体寿命の延長、ダウンタイムやフィルター費用の削減、機械寿命の延長によって、大幅なコスト削減が実現しました。
 エクリプスマグネティクス社製の濾過製品をタイで販売しているHuat Seng社のマヌーン氏によると、「現在、5ガロンバケツ1杯分の鋼製汚染物がAutoMag Skid AM12S1-8から3週間ごとに取り除かれている」といいます。「前処理槽内に鋼鉄汚染物はありますが、全体の質ははるかに改善し」、「電気泳動析出槽内に鉄鋼汚染物が見つかることはもうありません。AutoMagとFiltraMagの導入以来、汚染濃度レベルは大幅に改善しています。」

交通安全の向上を目指す「ストップ・ザ・クラッシュ」キャンペーンがタイで開始

交通事故から命を守るための最新の衝突回避技術の普及を目指すグローバル連携の取り組み「ストップ・ザ・クラッシュ」キャンペーンが5月12日、タイのバンコクで始まりました。タイは、交通安全事情が世界でも最悪な国の一つです。
 バンコクでのイベントは、2016年11月にマレーシアのクアラルンプールで実施されたASEANのキャンペーン成功を受けたものです。マレーシアのイベントでは、横滑り防止装置(ESC)が2018年6月から同国で義務化されることが交通相から発表されました。

 タイ国内の交通死亡事故の約4分の3は自動二輪車または自動三輪車が原因となっていることから、バンコクにおけるキャンペーンは、オートバイの安全技術に重点を置いています。「ストップ・ザ・クラッシュ」で実演された二つの技術、オートバイ用アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)と死角検知(BSD)システムは、タイにおける交通死亡事故を減らし、多くの命を救ううえで非常に大きな効果を発揮するでしょう。
 「ストップ・ザ・クラッシュ」では、その他ESCや衝突被害軽減ブレーキ(AEB)などの技術も実演されました。このイベントは、タイ内務省、世界保健機関(WHO)、モンクット王工科大学ラートクラバン校(KMITL)およびタイ健康促進財団が後援しています。
 タイ版「ストップ・ザ・クラッシュ」は、ロンドンモーターショーやウルグアイのモンテビデオでのイベントに続く、国連世界交通安全週間「スロー・ダウン」への連携支援の一環として開催された第4回「ストップ・ザ・クラッシュ」イベントです。
 以下は、「ストップ・ザ・クラッシュ」に関する主要関係者の発言です。
◇「ストップ・ザ・クラッシュ」のデービッド・ウォード事務局長
「『ストップ・ザ・クラッシュ』はタイにおいて歓迎されています。この国は交通安全上の深刻な課題を抱えておりますが、オートバイ用ABS、ESC、BSDによってそれが改善される可能性があります。」
「『ストップ・ザ・クラッシュ』へのタイ政府の参加を嬉しく思います。私どもとしては、タイ政府に法律の制定を強くお願いしたい。それが、交通死亡事故を減らすためのいちばんの近道だからです。」

◇タイ内務省災害防止軽減局のコブチャイ次長
「われわれは、国連交通安全週間中の本日、タイにおいて『ストップ・ザ・クラッシュ』を開催できることを非常に喜ばしく思います。タイの車は、重い二輪車からなり、オートバイ用ABSや死角検知(BSD)などの実証済み技術は、衝突防止に役立つでしょう。」
「『ストップ・ザ・クラッシュ』は、タイ市場への救命技術の導入を加速させる大きな効果を持ち、命を救うことに役立ちます。われわれはその目的を達成するため、グローバルNCAP(新車アセスメントプログラム)および『ストップ・ザ・クラッシュ』パートナーシップとの緊密な協力関係を継続していけることを楽しみにしております。」

◇タイ交通安全システム改革特別委員会委員長兼「交通安全立法議員のグローバルネットワーク」リーダーシップ会議メンバーのニコン・チャムノン下院議員
「国連世界交通安全週間の期間中、タイにおいて『ストップ・ザ・クラッシュ』が実施されることは素晴らしいことです。わが国の交通死亡事故の増加を食い止めるうえで、安全技術は喫緊に必要とされています。」
「今週発表された第4回交通安全宣言(RoadSafety Manifesto)は、世界各国の国会議員が自国で制定する交通安全法規のひな型を定めています。わたくしは、わが国にとって大いに必要とされ、命を救うことに役立つ二つの技術、ESCとオートバイ用ABSに関する法律をタイ政府が『ストップ・ザ・クラッシュ』後に制定することを願っております。」

◇ASEAN NCAP事務局長のカイリル・アンワル・アブ・カシム博士
「ASEAN NCAPは、自動車の安全性レベルを評価するための衝突試験を実施しております。われわれが与える格付けは、自動車が衝突発生時に乗員をどれだけ保護することができるかを示しています。われわれは今年初め、各自動車にどれだけ事故の発生を予防する能力があるかを評価することによって、基準を引き上げてきました。『ストップ・ザ・クラッシュ』は、自動車の救命技術を促進する取り組みです。世界中の研究が示しているとおり、ESCは、制御不能となった自動車の衝突がもたらす死亡事故の少なくとも40%を防止し、危機的状況に陥った際の操縦制御の大幅な改善によって衝突リスクを低減させることができます。われわれは、こうした情報を広く知らせることによって、顧客が新車購入時に安全技術について絶えず話し合うようになることを願っております。」

ベトナム首相、タイとのヘマラート工業団地合弁事業を承認

アジア・ニュース・ネットワークの報道によると、タイのヘマラートランド・アンド・ディベロップメント(ヘマラート社)とベトナムの第4シビル・エンジニアリング・コンストラクション(シエンコ4)との間の10億USドル(23兆ドン)規模の合弁工業団地は、5月第4週にベトナムのグエン・スアン・フック首相の承認を得ました。この合弁事業は、ベトナムのゲアン県にある2つの地区(ギロックとディエン・チャウ)の総面積3,200ヘクタールの土地に関する70年のリース契約です。全7段階のうち、第一段階では、約500ヘクタールの開発に着手します。これには2兆1,000億ドンの資金が必要になります。

 ヘマラート社のデービッド・ナルドンCEOが以前タイのメディアに語ったところによると、ベトナム経済は、製造業の高い競争力に支えられた力強く強靭な成長によって、将来の見通しは依然として明るいようです。ナルドンCEOは、「ベトナムは、中国、韓国、日本といった巨大市場へのゲートウェイとして戦略的に重要な位置を占めていることから、私どもはこのたび同地に初めて直接的プレゼンスを築けることに胸躍らせています」とも語っています。

 ゲアン県はベトナム最大の県で、ハノイからは290キロも南に離れています。しかしながら、ヘマラート工業団地は、ハイウェイ1Aやハノイ=ホーチミン間の鉄道に隣接し、ヴィン国際空港から10キロの地点にあり、近くには4つの港があります(計画段階では、そのうち3つが深海港)。現在、ヘマラート社は、8つの工業団地(総面積7,000ヘクタール)を所有し、600社以上の企業を誘致しています。それらの工業団地は、自動車製造・物流ハブとして有名です。ヘマラート社は今年2月、タイ中部のラヨーン県において9番目の工業団地(総面積300ヘクタール)の建設に着工すると発表しました。この公共インフラは今年完成する予定です。

タイの自動車産業、電気自動車(EV)化に向かうのか?

タイの自動車産業は将来、電気自動車(EV)化に向かうのでしょうか? 

もしそうなるとすれば、フロントランナーとなりうるのは電池式電気自動車(BEV)です。モンクット工科大学ラートクラバン校(KMITL)の5人の教授は、BEV「ヴェラ」が先端を走っていると主張しています。
 環境配慮型自動車にたいするタイの姿勢は真剣味を帯びつつあります。タイ政府は民間投資を奨励するEV産業振興ロードマップの発表を準備しており、タイ工業連盟(FTI)の協力も地元メディアで報じられています。
 経済関係省庁を統括するソムキッド副首相は、プラユット首相およびタイ投資委員会との来たる会合で、EV産業5〜10カ年計画の詳細を話し合うと述べており、「関係業界への指針となる計画を確定し、政府のEV振興計画のスケジュールを提示する」意向を明らかにしています。
 タイ政府は、喧伝されている東部経済回廊の利用に向けて本腰を入れているようです。チャチュンサオ、チョンブリー、ラヨーンの3県にまたがる東部経済回廊は、先進産業の本拠地かつ「タイランド4.0」のショーケースとして計画されており、EV生産の中心地となるでしょう。「タイランド4.0」とは、イノベーション、進歩、環境配慮型技術、研究開発、創造性を原動力とする経済・社会への転換を企図するタイの国家戦略です。

タイ政府が推し進めている東部経済回廊の紹介
http://e-asean.net/4280(外部リンク:教えてASEAN.NET)

 KMITLの5人のタイ人技術者は、Vera Automotive社の設立者でもあります。同社は新たな「タイ」ブランドの電池式電気自動車(BEV)の生みの親です。
 Automotive Focus Group(AFG)も、「東洋のデトロイト」という最新の目標に注目しており、5月26日にKMITLの教授たちを招いてホリデイ・イン・ホールで講演会を開き、プロトタイプ「ヴェラ1」のお披露目を行っています。
 「ヴェラ1」には、AFGのメンバーも高い関心を寄せています。現時点では大まかな情報しかありませんが、「ヴェラ1」の最高時速は105キロ、走行距離は1充電あたり180キロメートル、1回の充電所要時間は6時間とされています。
 Vera Automotive社の共同設立者の一人ワンチャイ・メシリ氏によると、すべてのヴェラ車は「タイ」ブランドで、タイの技術者たちによって設計されていますが、BEVの生産は中国の自動車メーカー吉利(ジーリー)自動車に委託し、同社から完成車(CBU)の形でタイに輸入しています。
 「Vera 1」の追加情報については、AFGメンバーへのお披露目と専門家との会合(5月26日、於ホリデイ・イン・ホール)において明らかにされます。AFGメンバーは、会場入口で許可を得て入場できますが、非メンバーはキャンセル待ちとなります。

タタモーターズ、BGACと自動車組立契約を締結

インドの自動車会社タタモーターズの子会社タタモーターズ・タイランド社は、5億バーツを出資して、バンコクに新たな自動車組立工場を建設する予定です。
 この計画は、Thonburi Automotive Assembly Plant Coとの10年契約が5月末に失効した後に発表されました。
 サンジェイ・ミシュラ最高経営責任者(CEO)によると、タタの自動車(主にピックアップトラック)は、バンコクにあるBangchan General Assembly Co(BGAC)において組み立てられることになります。BGACは、中国のピックアップトラック「フォトン」の組み立てを行っているPhra Nakorn Automobile Co(年間生産能力1万台)の子会社です。
 ミシュラCEOによると、タタはBGACと5年間の組立契約(5年ごとに契約更新可)を確定しました。BGACの工場では、タタ自動車の製造が10月から開始される予定です。
 BGACの工場は大量の従業員を雇用しているため一交代制で、1年間にピックアップトラック「ゼノン」を8,000台、小型トラック「スーパーミント」を2,500台組み立てる能力を有しています。

 「5月から9月までは、両モデル用に2本の組立ラインを導入する」とミシュラCEOは述べています。
 タタは約1,200台の「ゼノン」を在庫に抱えており、新工場で生産が再開されるまでは、今ある在庫から顧客に販売されます。
 「タイの自動車市場が競争的であるという私どもの確信は今も変わっておりません。だからこそ過去10年間、当地における自動車事業に40億バーツを投資してきたわけです」とミシュラCEOは語っています。
 2008年に設立されたタタ・タイランド社は、自動車の国内販売が過去3年間の減少を経て、昨会計年度は力強さを取り戻したと発表しました。2016会計年度(2016年4月−2017年3月)の販売台数は、前会計年度比19%増の1,344台でした。同じく2016会計年度の「ゼノン」のマレーシアへの輸出台数は、前会計年度比17.4%増の297台でした。
 タイの自動車市場は改善していることから、タタ・タイランド社は、現会計年度に2,700台を販売できると期待しています。同社はまた、今年のマレーシア向けピックアップトラックの目標販売台数を300台に設定しています。

4月の国内自動車販売は好調、穀物価格の上昇が一因

タイの4月の国内自動車販売は好調でした。長い休日があったにもかかわらず、新型モデルの発売やバンコク国際モーターショー、穀物価格の上昇が、その理由と考えられます。
 タイ工業連盟(FTI)が5月17日に公表したデータによると、4月の国内自動車販売台数は、3月の8万4,801台からは減ったものの、前年同月比15.1%増の6万3,267台でした。
 FTIの自動車工業倶楽部で広報を担当するスラポン氏は、「農産物価格の上昇と購買力の上昇が相まって、国内市場の空気は一段と活気を帯びつつあります」と述べ、さらにまた、「自動車メーカー各社が1−4月期に新型・新発想モデルを揃って売り出した」ことも指摘しています。
 特に4月の乗用車販売台数は、前年同月比23.2%増の2万5,493台と顕著な伸びを示しています。4月のSUV販売台数は、前年同月比3.9%増の3,665台に止まっていますが、ピックアップトラック販売台数は、前年同月比13.6%増の2万6,146台でした。また1−4月期のタイの国内自動車販売台数は、前年同期比15.7%増の27万3,757台でした。

 1−4月期の販売好調の勢いに乗って、今年の国内自動車販売台数はFTIの予想する80万台(前年比4.1%増)を達成する可能性が高いとスラポン氏は述べています。
 またFTIのデータによると、4月のオートバイ販売台数は、3月より25%減ったものの、前年同月比16.6%増の12万3,084台でした。また1−4月期のオートバイ販売台数は、前年同期比4.5%増の58万4,867台でした。
 それにもかかわらず、FTIの発表によると、タイの4月の自動車生産台数は64カ月ぶりの低水準となる前年同月比12.9%減の12万473台でした。
 1−4月期の自動車生産台数は、前年同期比6.1%減の60万6,028台でした。
 4月の自動車輸出台数は48カ月ぶりの低水準となる前年同月比14.4%減の6万8,927台でした。また4月の自動車輸出額は、前年同月比11.4%減の382億バーツでした。
 1−4月期の自動車の輸出台数は前年同期比9%減の35万3,228台、輸出額は前年同期比10%減の1,859億バーツでした。
 スラポン氏によると、自動車輸出の減少は、自動車生産に悪影響を与えているようです。

タイでの電気自動車生産は儚い希望


その実用化が頻りに喧伝されている電気自動車(EV)の生産は、タイではいまだ実現しそうにありません。その理由として、EV技術はあるものの、タイ国内における長距離運転への関心が薄いことを複数の業界アナリストが挙げています。
 タイ電気自動車協会(EVAT)のヨサポン・ラオヌアル会長は、タイの道路は距離が短く、充電ステーションも数えるほどしかないことから、100%電気燃料の電池式電気自動車(BEV)がタイの道路を走行するのはおそらく難しいと述べています。
 アジア最大の国際産業機械・下請業者見本市で、今年で34回目となる「インターマーチ2017」の主催者UBMアジア・タイランド社が開催したセミナーで、ヨサポン会長は、「現行のBEVモデルは、西洋諸国では、充電1回につき200キロメートルも走行できますが、タイにおきましては、エアコンを使用しなければならないため、充電1回につき120キロメートルしか走行できません」と語っています。

 ヨサポン会長によると、電気と石油で動くプラグイン・ハイブリッド電気自動車(PHEV)は、その電気系統の能力から、20キロメートル走るのが精いっぱいだといいます。
 「タイのような暑い国では、充電ステーションがもっと増えないかぎり、BEVの普及は難しいかもしれません」と語るヨサポン会長は、「今後5年以内に技術が改善されること」への希望を表明しています。
 ヨサポン会長によると、今年税制優遇措置を受けた企業や代理店約120社は、来年(2018年)には、バンコク首都圏を中心に各々充電ステーションの建設に着工すると見られます。
 タイ投資委員会は今年3月、EVへの優遇措置(5〜8年間の課税免除を含む)を承認しました。対象となる事業は、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグイン電気自動車(PHEV)、電池式電気自動車(BEV)の生産です。また対象となる車種は、乗用車、ピックアップトラック、バスなどで、生産技術に応じて優遇措置の内容はそれぞれ異なります。HEVは輸入する機械の関税が免除されますが、PHEVへの投資には3年間の法人所得税免除と機械の輸入関税が免除されます。
 主要EV部品を1つ以上製造するPHEVへの投資家は、1部品につき法人所得税の免除措置がさらに1年間延長されます(ただし、組み合わされた税制免除措置が6年間を超えない範囲で)。
 BEVへの投資は、5〜8年間の法人税免除が受けられます。主要EV部品を1つ以上生産したBEVへの投資家は、1部品につき税制免除措置がさらに1年間延長されます(ただし、組み合わされた免除措置が10年間を超えない範囲で)。
 タイ自動車工業会のタナワット・クムシン会長は、主要自動車メーカーに各社EVの現地生産を奨励するためには、タイのEV市場を発展させる必要があると主張しています。

フォードの人員削減、タイへの影響の可能性は低い見通し

米自動車会社フォードモーターのタイ生産子会社フォード・タイランド社は、自主早期退職やその他の特別手当を通じて北米とアジアの従業員1,400人を削減するという本社の計画によって影響を受ける可能性は低い。
 アメリカ第2位の自動車メーカーは、この措置によって、下落する株価の反転を期待しています。
 業界消息筋によると、同社が昨年人事凍結に着手したのは、デトロイトの幹部から組織の贅肉を落とす必要があるとすでに伝えられていたことから、企業としては、影響はないもようです。現地子会社の経営陣も、かなり以前からこのことを知っていたようです。
 しかし製造面では、同社のラヨーン工場はやや太り気味なことから、おそらく影響があるだろうと言われています。
 今のところ売れ行き好調なピックアップトラック「レンジャー」とSUV「エベレスト」の輸出と国内需要をフォードが維持できれば、影響を受ける可能性はないと見られています。
 「乗用車は経年劣化する製品であるため、今や生産量は限られております。新車の買い替えもどうなるか先が読めない状況にあります。ピックアップやSUVの増産によって、この状況に対処できれば、たとえ影響はあっても、最小限に止まるものと期待しています」と消息筋は語っています。
 フォードASEANの声明によると、削減の詳細はフォードの従業員に来月伝えられるとのことです。声明文には、「現時点で、コスト削減構想には、自主早期退職などの措置の採用によって、北米とアジア・太平洋地域におけるフォードの給与コストと人員を本年10%削減する計画が含まれている」とされています。
 ミシガン州を本拠地とするフォードは、ASEAN地域の主力生産拠点をタイに置き、ラヨーン州で2つの工場を経営しています(両工場の生産能力は合計で年間31万5,000台)。フォードは、ベトナムにも組立工場があり、そこでは年間2万台を生産しています。
 フォード・タイランド社は世界180市場に向けて、ピックアップトラック「レンジャー」、SUV「エベレスト」、「エコスポーツ」、ハッチバック「フィエスタ」、「フォーカス」を生産しています。
 フォードがタイに登録しているのは、フォードモーター・カンパニー(タイランド)、フォード・オペレーション(タイランド)、フォード・サービス(タイランド)、フォード・セールス&サービス(タイランド)の4社です(これら4社の従業員数は不明)。
 2016年のフォード全体の自動車販売台数は前年比12.4%増の4万972台でした(同社発表)。稼ぎ頭の「レンジャー」が前年比29%増の3万756台、「エベレスト」は42%増の7,111台でした。同じく2016年に同社がタイで販売した乗用車の台数は、「フォーカス」が前年比44%減の525台、「フィエスタ」が前年比86.6%減の409台でした。
 ロイター通信によると、フォードモーターは5月17日、下落する株価の反転を図るため、自主早期退職やその他の特別手当を通じて北米とアジアの従業員1,400人を削減するという計画を発表しました。同社は、管理職を含む非生産部門の従業員1万5,000人のうち10%に当たる人員の削減で、当該部門の人件費を10%削減できると言っております。
 フォードモーターは、従業員の大部分を占める給与労働者(フォードクレジット社で働く製品開発担当者や従業員を含む)が今回の人員削減計画によって影響を受ける可能性を否定しています。人員削減案のおよそ三分の二が北米で実施され、残りの約三分の一がアジアで予定されています。
 フォードモーターは、9月末までに従業員の自主的な離職を奨励するため、早期退職割増金を含む特別手当を提供する予定です。