イタリアのピアッジオ・グループのスクーターや大型バイクの輸入販売を手掛けているタイの正規代理店ベスピアリオ・タイランド社は、国内の旺盛な需要を背景に、2017年の年間販売目標1万4,000台の達成に自信を見せています。
タイ市場全体を見ると、2017年1−4月期の自動二輪車販売台数は58万4,904台と、前年同期比で4.5%増加しましたが、ベスピアリオ社の販売台数はその伸びを大幅に上回ったと同社のポルナダ・テジャパイブル社長は述べています。
ベスピアリオ社の発表によると、同社の1−4月期の自動二輪車販売台数は4,673台と、前年同期比で13.3%増加しています。
タイ市場全体では2017年の自動二輪車販売台数は175万台で、前年比わずか0.68%増と予想されていますが、ポルナダ社長は、ベスピアリオ社の販売見通しを前年比15.6%増の1万4,000台と見ています。
またポルナダ社長は、中所得層以上の顧客は依然として高級自動二輪車を購入する経済的余裕があることから、価格帯5万バーツ以上の高級自動二輪車の売れ行きは、大衆向け自動二輪車のそれを上回るという見通しを明らかにしています。
「ベスピアリオ社のものを含む高級自動二輪車の販売台数は、前年同期比9%増の73万4,000台になる見通し」と語るポルナダ社長は、「国内市場に占める高級自動二輪車の販売台数の割合は、2009年時点では6%に止まったものの、以後毎年伸び続け、2016年には38.9%にまで拡大しました。私の見るところ、年内に41%になるでしょう」と述べています。
2010年に設立されたベスピアリオ社は、イタリアのスクーター「ベスパ」の販売を開始し、先月の段階で累計販売台数5万483台に達しました。
ベスピアリオ社は今年初め、ピサにグループの拠点を置くイタリアの3つのバイクブランド「ピアッジオ」、「アプリリア」、「モトグッチ」の販売を開始すると発表しました。
「ベスパ」と「ピアッジオ」はスクーター、他の2つのブランド「アプリリア」と「モトグッチ」は大型バイクという違いはあるものの、これらはすべて高級自動二輪車であるとポルナダ社長は語っています。
しかし、販売の主力は引き続き「ベスパ」になる見通しのようです。「ベスパ」は、タイのモータリストたちの間では非常に有名なブランドですが、他の3つのブランドは国内の競合他社が販売しているバイクに比べて価格が割高だからです。
高級自動二輪車の大半はタイ国内で組み立てられていますが、ベスピアリオ社のそれはイタリアから完成品を輸入しなければなりません。唯一「ベスパ」スクーターだけがベトナムにあるピアッジオの工場でたくさんのベトナム人従業員を雇用し工場にて製造され、ASEAN自由貿易圏の特恵のおかげでタイに無税輸入されています。
「ベスピアリオ社は今後3年間に『ピアッジオ』、『アプリリア』、『モトグッチ』のブランド名を高め、2017年に約200台を販売しなければならない」と語るポルナダ社長は、ベスピアリオ社が今年これら4つのブランドすべてを販売するモータープレックスセンターを国内10カ所に開設することを目標にしていると語っています。
現在ベスピアリオ社は、「ベスパ」スクーターを販売する直販店を国内55県に80店舗展開しています。
ベスピアリオ社は昨年「ベスパ」を1万2,110台販売しましたが、これは前年比30.7%増という急激な増加でした。